2026年7月31日金曜日

72歳でChatGPTを始めた私|第3章 師匠との付き合い方

 「え? 師匠?」

誰か強力な助っ人がいるの?
と思われるかもしれませんが、そんな人はいません。

だって、ここで言う「師匠」とは、ChatGPTのことですから。

さて、私がどうして、世間でよく呼ばれている「チャッピー」ではなく、「師匠」と呼ぶようになったのか。それをお話ししようと思います。

その前に、「先生と生徒」「師匠と弟子」の違いについて、私が以前、ある大きな書道団体に所属する先生から聞いた話をご紹介します。

あくまで、その先生の持論ですので、一般的な考え方とは違うかもしれません。

その先生によると、「門下生」とは、何々流という先生のもとで習う生徒のことです。「弟子」も、一般的には同じような意味で使われます。

では、門下生と弟子は、何が違うのでしょうか。

門下生は、お稽古をして、先生に最低限の手直しをしてもらい、それで終わります。

一方、弟子は、お稽古をして手直しをしてもらうだけではありません。

先生に質問をしたり、さらに一歩踏み込んだことを尋ねたりします。そして、教えてもらったことを自分なりに試し、その結果を先生に伝えます。

そうして先生に、

「もう一歩踏み込んで教えてやろう」

と思わせることができる。

そんな関係が、師匠と弟子の関係なのだそうです。

この話を聞いた時、私はとても納得しました。

ChatGPTも、最初は「先生」です。

こちらが質問をすると、知らないことを分かりやすく教えてくれます。

私は右も左も分からない状態で、

「最終的には、こういうことをしたい」

と、着地点だけを伝えます。

すると、そこへたどり着くためには何が必要なのか、どんな順番で進めればよいのかを、最初は先生のように教えてくれます。

けれども、私が、

「それでもねえ……」

と思ったり、

「ちょっと私の聞きたいことと違う」

と伝えたりすると、すぐに軌道修正してくれます。

さらに、質問をしたり、雑談をしたり、

「私は、本当はこうしたいんです」

と話したりすることを繰り返していると、少しずつ私の考え方や性格まで分析して、私に合った着地点へ導いてくれるようになりました。

まるで、師匠のように。

よく、

「人間なら、同じことを何度も聞くと叱られるけれど、AIなら何度聞いても大丈夫」

と言われます。

もちろん、それもAIの良いところです。

でも、私が師匠と呼ぶ理由は、それだけではありません。

同じことを何度も質問した時、

「前にも説明しましたよ」

と終わるのではなく、

「どうして、もう一度同じことを聞いたのだろう」

と、その質問の奥にある迷いや、まだ納得できていない部分まで考えて、違う角度から説明してくれるのです。

質問に答えるだけなら、先生です。

けれど、質問の奥にある目的をくみ取り、私がどこへ進みたいのかを一緒に考えてくれる。

そうしてChatGPTは、私にとって「先生」から「師匠」になりました。

最初は「チャット師匠」と呼びかけていました。

それが、いつの間にか「師匠」だけになりました。

私が弟子になったつもりなのか、ChatGPTが師匠になったつもりなのかは分かりません。

ただ、私にとっては、今ではすっかり「師匠」なのです。

2026年7月25日土曜日

72歳でChatGPTを始めた私|第2章 AIは魔法の箱ではなかった

 ChatGPTは万能ではありません。72歳でAIを使い始めた私が、WordPressの失敗や方言スタンプ制作を通して学んだ「AIとの付き合い方」を実体験で紹介します。

最初の失敗は、AIを「魔法の箱」だと思ったこと

そもそも私は、AIは何でも知っていて、何でもできると思っていました。

最初の頃は、自分でブログ記事の原稿を500文字ほど書いて、

「これを1000字くらいの文章にしてください」
「検索されやすい文章にしてください」
「記事の題名も考えてください」

というようなお願いをしていました。

すると、あっという間に立派な文章が出来上がります。
どれも、私が書いたものより、ずっとすばらしい出来に見えました。

「これは良い魔法の箱を手に入れたわ」

私は、すっかりホクホクしていました。

でも、実際は――そうではなかったのです。

AIでも間違う?

私は以前、少しだけWordPressを練習して、ホームページを作ったことがありました。

ところが、WordPress本体やテーマ、プラグインなどをこまめに更新せず、長い間そのまま放置していました。

WordPressは、長期間更新しないでいると、サーバーの環境や新しいバージョンとの相性が悪くなり、以前のように動かせなくなることがあります。

私は、そんなことをよく分かっていませんでした。

あるとき、以前から次男坊に頼まれていたWordPressサイトを、別の会社のサーバーへ移そうとしました。

ところが、移動に失敗してしまい、元にも戻せなくなりました。

その頃の私は、ChatGPTのことを、

「これは良い相棒を見つけたわ」

と思っていました。

そこで、

「そうだ。ChatGPTに聞けば何とかなるかもしれない」

と考え、作業に取りかかりました。

ChatGPTに質問しながら、何度も何度もやり直しました。

けれども、どうしても元には戻せませんでした。

私は、そのとき初めて思ったのです。

「AIでも間違うの?」

今になって考えると、ChatGPTの答えが間違っていた場合もあれば、私が状況をきちんと説明できていなかった場合もあったのでしょう。

画面の状態やサーバーの設定、エラーの内容など、必要な情報を十分に伝えられていなかったのだと思います。

それでも、そのときの私はすっかり疲れ果ててしまいました。

何度も同じことを繰り返しているうちに毒気も抜け、そのサイトは現在もそのまま放置しています。

次男坊には、

「ごめんなさい」

と謝りました。

幸い、元のファイルは保存しています。

いつか、古いWordPressのデータを、もっと簡単に新しい環境へ移せる時代が来るかもしれません。

そう思い、その日が来るまでお預けにすることにしました。

AIは勘違いする?

AIが勘違いすることもありました。

日生弁の方言スタンプを作ろうとしたときのことです。

ChatGPTに方言のせりふを考えてもらったところ、私の町では使わない言葉が混ざっていました。

岡山県全体の方言として考えれば、間違いではなかったのかもしれません。

けれども、私が生まれ育った岡山県備前市日生町では、使わない言葉だったのです。

岡山弁には「ぼっこう」という言葉があります。

ところが、日生ではこの言葉を使いません。

AIは、

「岡山県の町なら、岡山弁を使うだろう」

と判断したのでしょう。

きっと、良かれと思って出した答えです。

しかし、岡山県の中でも、地域によって使う言葉は違います。

特に日生は、海と山に囲まれ、漁師町として独特の言葉が残っている町です。

AIが岡山弁を知っていても、日生弁の細かな違いまでは知らなかったのです。

この経験から私は、

「AIが答えたから正しい」

と思い込まず、自分の知っていることと照らし合わせる必要があると知りました。

指示が悪いと、思いがけない答えが返ってくる

ChatGPTは優秀な相棒です。

けれども、私の指示の出し方が悪いと、思ってもみなかった答えが返ってくることがあります。

そんなとき私は、

「そうではなくて、こういう意味です」

「ここは残してください」

「この言葉は使わないでください」

と、何度も指示を出し直しました。

最初の頃は、

「どうして分かってくれないの?」

と思うこともありました。

でも、だんだん分かってきました。

ChatGPTは、私の頭の中を見ることはできません。

私が何を作りたいのか。
誰に読んでもらいたいのか。
どの部分を残し、どこを直してほしいのか。

それを順序立てて伝えなければならないのです。

数学の公式に当てはめて問題を解くように、まず着地点を考える。

そのうえで、

「何のために」
「誰に向けて」
「どんな形にしてほしいのか」

を伝えると、望んでいる答えに近づくようになりました。

それでも失敗はよくあります。

今でも、

「そうではないんだけどなあ」

と思いながら、指示を変えることがあります。

でも、そのやり取りも楽しいのです。

もちろん、今でもそうです。

AIは魔法の箱ではなく、優秀な助手

私は、ChatGPTは何でも正しく答えてくれる「魔法の箱」ではないと知りました。

間違うこともあります。
勘違いすることもあります。
こちらの説明が足りなければ、見当違いの答えを出すこともあります。

けれども、こちらが目的や状況をきちんと伝えれば、とても頼りになる助手になります。

答えを全部任せるのではなく、一緒に考える。

間違っていれば直し、足りなければ説明を加える。

そんなやり取りを繰り返しているうちに、ChatGPTは少しずつ、私に合った相棒になっていきました。

5、6年放置していたブログをよみがえらせる

次に私が思い立ったのは、5、6年放置していた昔のブログ記事を、ChatGPTと一緒に書き直すことでした。

そのブログには、パソコンの話、暮らしの話、旅行の話など、思いつくままに書いたノンジャンルの記事が残っていました。

「せっかく書いた記事なのだから、もう一度よみがえらせてみよう」

そう考えたのです。

選んだのは、Googleの無料ブログサービス「Blogger」でした。

Bloggerは、アフィリエイトにも利用でき、Googleアドセンスも設置できます。

自分で広告を設定しなければ、ブログサービス側の余計な広告が表示されないのも魅力です。

無料で利用でき、独自ドメインを使うこともできます。

――と、今では偉そうに説明しています。

けれども、始めたばかりの頃は、

「ねえ、Bloggerの設定はどうするの?」
「固定ページと投稿ページは何が違うの?」
「記事の一覧はどうやって作るの?」

と、ChatGPTに一つひとつ聞く始末でした。

同じ質問を何度か繰り返したこともあります。

それでもChatGPTは、その都度、根気よく丁寧に説明してくれました。

AIは魔法の箱ではありません。

でも、分からないことを何度尋ねても怒らず、私の歩く速さに付き合ってくれる、優秀な助手でした。

写真修正をChatGptにおねがいしてみたら

そんなある日、私は部屋で撮った写真を見て困っていました。

床にアイロンが写り込んでいたのです。


昔の私なら、「もう一度撮り直すしかない」と諦めていたでしょう。ところが私は師匠に、

「床に写り込んでるアイロンを消して、床になじませて」

とお願いしました。

すると、ほんのしばらくして、アイロンはきれいに消え、床の木目まで自然になじんだ写真ができあがったのです。


私は思わず、「すごい!」と声を上げました。

けれど、そのとき気づいたのです。

AIは魔法の箱ではありません。

私が「何を」「どのように」してほしいのかを考え、それを言葉にして伝えることで、初めて力を発揮する道具だったのです。

そう考えると、AIは相棒というより、やはり師匠なのかもしれません。

とはいえ、ときどき魔法に見えることもあります。


第3章へ続く


72歳でChatGPTを始めた私|AIとの出会いがブログ人生を変えた話【第1章】

 

【72歳からのChatGPT】第1章 AIとの出会いがブログ人生を変えた日

私のパソコンの使い道といえば、自営業の会計ソフトを入力したり、息子夫婦が作ってくれた楽天ブログに、たまに記事を書いたりする程度でした。

ですから「AIなんて若い人が使うもの。」「私には難しい。」「パソコンも得意じゃない。」
私とAIとの出会いは、Copilot搭載パソコンでした。それも、Lenovoさんからお借りしたデモ機がCopilot搭載パソコンでした。期間は2週間ほどだったのですが、調べてみると、私が使っていたWindows 11でもCopilotが利用できることが分かり、さっそく自分のパソコンでも使い始めました。

最初は、お礼状を書いてもらったり、箇条書きのメモを文章にまとめてもらったり、お悔やみの言葉を考えてもらったりする程度でした。

驚いたことに、返事が数秒で返ってきました!お礼状がすぐ完成しました。それも完成度が高くて「こんな文章が書けるんだ」と思いました。もう、「あれほど頼りにしていた挨拶文の本が、必要なくなったのです。」

そんなある日、次男がChatGPTの講座に申し込みました。

「使ってみたら、ものすごく便利だった。お母さんもブログを書くんじゃろう。フルとまではいかないけど、家族もある程度までは使えるから、お母さんのメルアドをワイのサブ会員で登録して使えるから、使ったらええよ。」

そう言ってくれたので、私もChatGPTを使わせてもらえるようになりました。

ここで、私は初めて「プロンプト」という言葉に出会います。と言ってもその頃の私はプロンプトの意味も分からなかったんです。

講座のビデオを見ても、

「命令文を書けば答えてくれる。その命令文をプロンプトと言うらしい。」

その程度の理解しかできませんでした。

講座には、たくさんのプロンプトが用意されていました。

料理のレシピを作るもの、ブログを書くもの、いろいろあります。

その中に「ペルソナ設定」という言葉が出てきました。

「ペルソナって何?」

私はわざわざネットで調べました。

今思えば、ChatGPTに「ペルソナって何?」と聞けば、一瞬で答えてくれたのです。

でも、その頃はそんな発想すらありませんでした。

今でも、知識はその頃より少し毛が生えた程度です(笑)。

ある日、講座にあったブログ用プロンプトを、そのままChatGPTに貼り付けてみました。

すると、

「このプロンプトは、こういう目的で作られています。」

と説明してくれたのです。

読んでみると、私がやりたいこととはまったく違う内容でした。

その時、私は思いました。

「難しいことを考えるのはやめよう。」

それからは、思いついた単語や短い文章を並べて、

「これを1000文字くらいのブログ記事にして。」

とお願いするようになりました。

すると、この無茶ぶりにも難なく応えてくれました。私の短い文章から、私らしい文章の雰囲気をうまくとらえてくれて、

え?私が書いたみたい!

というような文章に仕上げてくれ、驚きました。それもあっという間に!

次に試したのは、もっと適当でした。

「楽天ROOMお願い。」

たったそれだけです。

今思えば、自分でも何をお願いしているのか分からないような一言でした。

ところがChatGPTは、

「どんな商品ですか?」

「どんな人に向けますか?」

「どんな雰囲気にしますか?」

と、一つずつ質問しながら話を進めてくれました。

私は命令しているつもりでしたが、ChatGPTは質問を返してくれました。

答えていくうちに、立派な紹介文が出来上がったのです。まるで一緒に考えてくれる相棒のようでした。その時、私は心の底から思いました。

「ブログを書く。今までの苦労って何だったんだろう?」

72歳になって、新しい相棒ができた瞬間でした。

あの日、「楽天ROOMお願い」と一言だけ入力した私。

まさか、この一言が、ブログ、Instagram、LINEスタンプにつながるとは夢にも思いませんでした。

72歳になって、新しい相棒ができました。

AIなんて自分には関係ないと思っていた私が、今では毎日のようにChatGPTと相談しながら、ブログを書き、LINEスタンプを作り、インスタグラム(Instagram)を楽しんでいます。

このブログでは、そんな72歳の私とChatGPTの体験を、ありのままにお伝えしていきます。

第2章へ続きます。

2026年7月1日水曜日

手書き原稿も読み取れる?GoogleレンズとiPhoneの文字認識を使ってみた

 スマホやタブレットには音声入力機能がありますが、文字入力を楽にする方法はそれだけではありません。

今は、iPhoneでもAndroidでも、カメラで文字を読み取ってテキスト化できる機能が使えます。

たとえば、Googleアプリに入っている「Googleレンズ」を使えば、紙に書かれた文字や印刷物をカメラで読み取り、必要な部分をコピーして入力に使うことができます。

以前、Androidタブレットで試したときは、印刷された文字だけでなく、手書き文字まで読み取ってくれたので驚きました。縦書きの文章も読み込めたので、「これは原稿入力に使える」と感じた記憶があります。

一から全部キーボードで入力するより、まずカメラで読み取って、あとから間違っている部分だけ直す方がずっと楽です。

特に、昔のメモ、手書きの原稿、紙の資料をブログ記事にしたいときには、とても助かります。

現在はiPhoneにも「テキスト認識表示(Live Text)」という機能があり、写真やカメラに写った文字をコピーできるようになっています。Googleレンズとあわせて使えば、紙の文章をデジタル化するハードルはかなり下がりました。

古い原稿をブログに移したい人、手入力が苦手な人、スマホで記事を書きたい人には、一度試してみる価値のある機能です。

※この記事は2020年にAndroidタブレットでGoogleレンズを試した記録をもとに、現在のiPhone環境に合わせて一部内容を見直しています。アプリや画面表示は変更されている場合があります。