※この記事は、2012年に書いた体験記事をもとに、現在のブログ用に読みやすくリライトしたものです。
※ベンジンを使う作業は火気厳禁です。換気をよくし、取り扱いには十分注意してください。昔使っていたそろばん、家のどこかに眠っていませんか?
私の家にも、ずいぶん昔に使っていたそろばんがありました。
学校を出たばかりの頃は、まだ仕事でもそろばんを使っていた時代です。
その後、電卓が出てきて、パソコンを使うようになり、そろばんはすっかり出番がなくなっていました。
ところが、ある日、孫が遊びに来た時にその古いそろばんを見つけました。
「これなに?何するもの?」
そう聞かれたので、
「日本に昔からある計算機よ」
と答えたところ、興味を持ったようで、簡単な足し算を教えて遊ぶことになりました。
久しぶりに使ってみたら、玉の動きが悪い
孫と遊びながらそろばんを使ってみると、困ったことに気づきました。
玉の動きが鈍いのです。
昔のようにシャカシャカと気持ちよく動かず、ところどころ引っかかる感じがあります。
長い間ケースにも入れず、しまい込んでいたので、ほこりや汚れがたまっていたのかもしれません。
「これはもう使えないのかな?」
そう思いながら、そろばんをひっくり返して見てみると、裏にメーカー名や型番らしき刻印がありました。
そこで調べてみると、そろばんは修理できる場合があることがわかりました。
メーカーさんに問い合わせてみた
昔、そろばんには「滑らし粉」のようなものがあった記憶がありました。
そこで、そろばんメーカーさんに、
「今でも滑らし粉はあるのか」
「玉の動きが悪い時はどうしたらよいのか」
を問い合わせてみました。
すると、とても丁寧なお返事をいただきました。
その内容を簡単にまとめると、次のようなことでした。
滑らし粉はかえって悪くすることがある
玉の動きが悪いからといって、すぐに滑らし粉を使うのはおすすめできないそうです。
理由は、粉が玉穴の中に残ってしまい、かえって症状を悪化させることがあるからです。
なるほど。
滑りをよくするつもりが、逆に汚れをため込んでしまうこともあるのですね。
水分が原因の場合は修理が必要なこともある
もし、そろばんに水やジュースなどがかかったことが原因なら、芯竹が水分を吸って膨らんでいる可能性があるそうです。
この場合は、ただ掃除するだけでは直らず、芯竹の交換が必要になることもあるとのことでした。
我が家のそろばんは、水をこぼした記憶はなかったので、まずは教えていただいた洗浄方法を試してみることにしました。
ベンジンで玉穴の汚れを落とす方法
メーカーさんに教えていただいた方法は、ベンジンを使った洗浄でした。
大まかな流れは次の通りです。
- 脱脂綿や布にベンジンをしみ込ませる
- そろばんの盤面や玉の上を、拭き掃除のように何度もなでる
- ベンジンを玉穴にしみ込ませるようにする
- そろばんを横長の状態で斜めに立てかける
- 玉穴から汚れが出るのをしばらく待つ
- 汚れが出なくなったら、乾いた布でから拭きする
実際にやってみると、布がすぐに黒くなりました。
かなり汚れていたようです。
1回では少しよくなった程度でしたが、時間を置いてもう一度試すと、かなり動きが改善されました。
さらにもう一度、動きの悪い部分を重点的に手入れすると、ほとんど支障なく使えるところまで復活しました。
シリコンスプレーは使わない方がよい
ベンジンで手入れしても、まだ少し動きの悪い部分があったので、
「シリコンスプレーを使ったらどうだろう?」
と思い、再度メーカーさんに問い合わせました。
すると、これもおすすめできないとのことでした。
理由は、
・乾燥すると粘りが出ることがある
・シリコンが付いた部分の色が悪くなることがある
からだそうです。
金属部品には便利なシリコンスプレーですが、そろばんには向いていない場合があるのですね。
どうしても動きが悪い時はワックスという方法も
シリコンスプレー以外の方法として、床用ワックスを少量使う方法も教えていただきました。
ただし、これも付けすぎは禁物です。
布に少量つけて、乾いてから竹に軽くこすり込む程度がよいそうです。
つけすぎると、今度は玉が動きすぎて使いにくくなることがあるとのことでした。
このあたりは自己判断で無理をせず、大切なそろばんであればメーカーさんに修理をお願いする方が安心です。
実際に古いそろばんは復活した
我が家には、昔子どもが使っていたそろばんや、私自身が使っていたそろばんが何本かありました。
その中から2本を選んで手入れしてみました。
最初は玉の動きが重く、計算しにくい状態でしたが、ベンジン洗浄を何度か試すことで、かなり軽く動くようになりました。
古いものでも、すぐに捨てなくてよかったと思いました。
古いそろばんは、シニア世代には懐かしい生活ガジェット
今の時代、計算はスマホや電卓で簡単にできます。
でも、そろばんにはそろばんの良さがあります。
玉を動かしながら数を考えるので、手先も頭も使います。
最近では、脳トレや子どもの数字遊びとして見直されているとも聞きます。
私の場合は、孫が興味を持ってくれたことで、昔のそろばんがもう一度役に立ちました。
孫には新しいそろばんをプレゼント
古いそろばんの手入れ方法を丁寧に教えてくださったのは、亀嵩そろばん合名会社さんでした。
問い合わせに対して、とても親切に答えてくださったことに感激しました。
その後、孫にそろばんを買ってあげることになり、迷わず亀嵩そろばんを選びました。
そろばんは、きちんとしたものを選べば長く使える道具です。
昔ながらの道具ですが、子どもにとっては新鮮で、シニアにとっては懐かしい。
こういう道具が世代をつないでくれるのは、なんだかうれしいものです。
まとめ
古いそろばんの玉が動きにくくなった時は、すぐに捨てる前に、まず原因を考えてみるとよいと思います。
ただし、滑らし粉やシリコンスプレーを安易に使うと、かえって状態を悪くすることがあるようです。
汚れが原因の場合は、ベンジン洗浄で改善する場合がありますが、ベンジンは火気厳禁の薬品です。
無理をせず、換気に注意しながら行うこと。
大切なそろばんや高価なそろばんは、メーカーさんや専門店に相談すること。
これが一番安心だと思います。
昔のそろばんが家に眠っている方は、一度そっと出してみてください。
もしかすると、またシャカシャカと気持ちよく動き出すかもしれません。
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